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選択肢

日曜日の朝6時前、石橋でお酒を飲んでいたがそれも終わり、梅田あたりの漫画喫茶かサウナにでも行って仮眠を取ろうと思い、阪急電車に乗り込んだ。目の前には40絡みのおばさんと、おそらくその子どもさんであろう少年が並んで座っていた。二人で話をしながら何か読んでいるなと思って、本の表紙をちらりと見ると。有名中学校の過去問を確認しているようだった。至極当たり前の光景なんだろうが、少し驚いた。幸運なことなのか不幸なことなのか、私の田舎では中学校の受験をする子なんてほとんどいなかったからだ。
私は今地方に暮らしているくらいなので田舎が嫌いなわけもないが、それでも少し、中学校や小学校から受験を行うことのできる彼らが少しうらやましい。選択肢が広いということがうらやましいのだ。
私が小学校のとき現実的に選択できる学校は二つだった。公立と国立の二つ。当時私立の中学校は県内には無かったと思う。高校受験のときも事実上の選択肢はあまり多くなかった。漠然ではあるが大学にはいきたいと考えていたので、無難に高校を選んだ。もちろん留学とかの選択肢もあったのだろうが、それを選べるほど私の視野は広くなかった。
高校では折につけて進路を考えさせられるわけだが、基本的につぶしの利くコースを選ぶようにしていた。選択肢を減らしたくは無かったからだ。(※)
誤解や、嫌味だと取られることを恐れずに言えば、幸い私は勉強が得意だった。より正確に言えば大学受験のようなテストで点をたたき出す能力がそれなりにあったと思う。だからまぁ、選択肢を比較的つぶさずにいることができたというところがあると思う。何より家族がどこに行っても、何をやってもいいと思っていてくれたこともある。

話は変わるが、田舎を訪ねる番組などをテレビで時々目にする。それらの番組では田舎は人情味あふれる人が多くのんびりしていていいところらしい。そのせいかどうか分からないが田舎を田舎のままにしておくことを主張する人も多い。その考え方のすべてが間違いであるとは言わないが、地方に暮らす人間のことを本当に考えているかどうか、疑問を感る。
田舎の選択肢の少なさを彼らは知っているだろうか、と思う。無論田舎にあって都会にない選択肢も多いだろうし、単純に選択肢が多いから個人の資質にあった仕事を見つけられるとは言わないが、限られたところで、妥協をして選んだ選択肢よりは、自分が見つけ出した選択肢のほうが人を幸福にするのではないかと思う。だから私は、田舎をもう少し都会に近づけてもいいのではないかと思う。時間距離の面でも、お金と距離の面でも。

要するに、都会がうらやましいというだけの話なんだけど。


つぶしの利くコースを選んでいたはずなのに、いざというときにそこにとらわれてしまい選択を間違えたのではないかと思うこともある。選択肢を広げること自体は今でも大事だと思うけど、選択肢を広げることで見えなくなってしまうものもある気もする。
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by tomo1y | 2006-01-17 19:10 | 日々思うこと
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