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確からしさを疑う

祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を表す
驕れる者も久しからず ただ春の夜の夢の如し
猛きものもついひは滅びん 偏に風の前の塵に同じ

うろ覚えなので違うところがあるかもしれませんが、これはもう有名すぎるくらい有名な平家物語の序文の一節です。永遠に続くものなど無いと謳うこの文章が私は大好きです。永遠に続くものなど無いと思うからです。

だから……と言うわけでもないのですが、私は物事を言い切ることができません。9割や8割確かであれば。絶対にそうだと言い切ってもいいのかもしれませんが、それがどうしてもできません。優柔不断だといわれるかもしれませんが、私は不誠実ではありたくないのです。
永遠に続くものはないし、確かなことなんてそんなに無いのです。

たとえば私たちが日々使っている言葉。
「携帯持ってる?」この言葉を今私たちは当たり前のように使っています。しかし20年も前の辞書で引いた語義を当てはめれば可笑しな言葉ということになります。今の私たちは「携帯電話」を当たり前のものとしているので成り立つ言葉であって、それ以前の人には通用しない言葉でしょう。いずれ電話やテレビといった言葉も消えていったりするのかもしれません。
人の生き死にだってそうです。ある日当たり前のようにいた人がいなくなるかもしれない。それを知っているから、だから簡単に約束ができません。「きっと」「いつか」みたいな言い方ばかりしてしまいます。

世の中には「常識」とか「絶対」とかいう言葉が氾濫しています。たしかにそれは耳に心地よい。しかしそれはある意味では思考停止ではないのかと思います。常識であれなんであれ真剣に考えて自分の血肉にする必要があるんじゃないのかと思います。こういう自分が嫌だなぁと思うこともあるけど、変えようとは思いません。

最初に永遠なんて無いと思うといいました。
でも真剣に永遠の愛や真理を模索する人たちは本当に素敵だと思います。
永遠とか絶対は無いと思うから余計に。私もそうありたいと思います。
by tomo1y | 2006-02-20 18:40 | 日々思うこと
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