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人はパンのみにて生きるにあらねど。

山陰中央新報のコラムから

「よそ者は黙っとれという声もあるが、今回の場合はそうはいかない」―。出雲市平田地区に計画されている国内最大級の風力発電施設。それが周辺の景観に与える影響を審議してきた島根県景観審議会の藤岡大拙会長が、こんな感想をもらした▼風力発電施設は宍道湖の背景となる北山山系に建設される。高さ120メートルもある巨大な風車群が北山の尾根に林立したら、周辺景観はどうなるか。県景観審議会はその影響を懸念して、風車の配置や規模の見直しを求める答申を澄田知事に行った▼議論が盛り上がった審議会で藤岡会長は自分の意見に封印し、ひたすら取りまとめ役に回った。答申を終えて肩の荷を下ろす一方で「個人的には、よりにもよってなぜあの場所に建設しなければならないのかとの思いが消えない」と心情を吐き出した▼出雲神話の舞台ともなっている北山山系。宍道湖と一体となって織りなす景観は全国に誇ることができる。宍道湖に沈もうとする夕日が、古代出雲への想像力をかき立てる。その光景は島根県が独り占めするものではなく、全国に開かれた共有資産である。風力発電計画に対する反対の声が全国に広がっているのも、その景観が「全国ブランド」になっているからだ▼しかし地元には地元の事情がある。公共事業が縮小するなかで大型の民間資本が投下され、地域に活力が生まれる。山の中に道路も開き、荒れ放題の山林に人手が入る。その機会を、物見遊山のよそ者に妨害されたくないとの感情が渦巻く▼「気持ちは分かるが、こんな景観は世界中を探してもないのに」―あきらめとも憤りともつかないため息が藤岡氏からもれた。(前)


地元に生きる人間の一人として。個人的な意見を。
今回こういう話になっているのは「よそ者は黙っとれ」というよりも
「地域に利益を持ってこれないなら黙っとれ」という話なのかなぁと思います。
全国に誇ることの出来る景観であるということに反対するつもりはありません。
ただ「全国ブランド」であったとして、そこに生きる人にとって実感が出来ない。
実際に資本が投下されて、道路も整備される。ありていに言って美味しい話に人の心がなびくのは
ある意味において当然ではないかと思います。環境のためという分かりやすい名分もありますし。

景観というのが守るべき大切なものだという意識が無いわけではないのです。
ただ、それが地元にどのように還元されていくのか考えてこられなかったのも事実でしょう。
守るべきものであると思っていたのに、今まで行動をしてこなかったということには地元住民としては
不信感を覚えます。大切なものであるならもっと大切にする姿勢があったのではないか。

毎日、通勤の時間に北山を眺めています。
ところどころ、松くい虫の被害か、人の手が入らなくなったせいか、枯れ木が林立しています。
正直に言って俺は、あの姿は嫌です。あの姿を何とかしてくれるならどっちでもいいとか思います。
例えば野鳥の渡りの場所だというのなら山は守らなければならないでしょう。

趣味や酔狂で生きていければ、凄くカッコいいことだとは思います。
でもそうじゃないかなぁという風にも思うんですよね。

少なくとも「素敵なものだから守ろう」という言葉だけでは無力ですよ。
この「素敵な景観」がそこに生活する人に資するというビジョンを示さず。単純に反対されても困る。
まぁ、景観審議会としては、景観の保全を考えるべきという答申を出すのは当然かもしれないけれど。

しかし、個人的に何より納得がいっていないのはだ。
この計画に反対する人たちが、何故平田で説明会なり何なりをされなかったかということだ。
東京の偉い先生を呼んでくるのもいい。対岸の松江市の人たちが声を上げるのもいい。
でも、反対する人たちが一番理解を得なければならないのは、僕らじゃないのか?

地元で反対運動をしても盛り上がらないからと彼らが考えているのであれば、
彼らは「よそ者だ」と僕は言う。


地元の人で反対のチラシを配っている人がおられたのは承知している。
それはとても立派なことだと思う。でも、チラシ一枚で理解が得られると考えるのであれば、
それは反対派が事業者や出雲市に言うのと同様に説明不足だと感じる。
くにびきメッセ(松江市)で平日に集会を行ったことで説明が果たせると考えるのであれば、
地元の人間が暇人ばかりなのだろうかと思われているように感じる。
彼らは堂々と平田で論陣を張るべきだったとの考えをどうしてもぬぐえない。


平田で説明会……のくだりは俺が知らないだけかも。
でも、どちらかといえばこの問題に関心を持ってるつもりの人間が知らないということは推して知るべし。ではないかな?
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by tomo1y | 2006-07-12 19:01 | 日々思うこと
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