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ダイエットとか今言っているのが時々バカらしくなる。

僕の住んでいる県では柔道部のある中学校は多くなかった。
うちの市では柔道部は一つしかなかったし、もう少し広い地域で見ても3つ4つと言ったところ。
県全体でも30校はなかったんじゃないかと思う。
そんな中ではあったが、僕らの頃は割合に強い中学校と言うことになっていた。
それはまぁ、結局学校の規模が大きかったのと、柔道部員が結構人数がいたからと言う話だ。
当時の顧問の先生……ミッチーのがんばりもあるかもしれないけれど。

で、部員が多かったから。という悲喜劇。

僕はまぁ、有体に言って弱かった。3年の春に初段を取って黒帯にはなったのだけれど、
よく指導にきてくれる柔道連盟のおっさんが審査をするような昇段試験だったわけで
実力的には本当に弱かったと言っていい。よく2年生に負けた。
それはまぁ、柔道に真剣でなかったので当然と言えば当然のことであった。
僕も嬉しくはなかったが、それほど悔しがって奮起したわけでもない。

で、3年の夏。最後の県総体。柔道は学校が少ないので地区大会とかはなかったので、直接県総体。
メンバーはごくシンプルに、部内で選抜戦をして決めることになった。非常に公平。シンプルイズベスト。
で、その結果。団体戦のメンバーに選ばれると思ってなかったけど、中量級の個人戦メンバーからもはじかれた。
柔道部に真剣ではなかったけど、それでも2年半続けていて僕も多感な中3なのだ。
それは非常に悔しいと、そう、思ってしまった。これが間違いの始まり。

で、選択肢。
 あきらめる
>重量級で出場

同じ境遇の親友は出ないことを決めた。いい判断。

中学校の柔道では、軽量でそれぞれの階級に応じた体重でないと出場はできない。
64キロ以下級といったところで、48キロの選手は出れないのである。となると体重を増やす必要がある
僕の体重がリミットいっぱいだったら問題なかったのだけれど、僕の体重はリミットよりはずいぶん軽い。
大体6キロくらいは軽かったのだ。1ヶ月で6キロ増やすことになった。

僕は体重はなかなか増えないものだと思っていた。
実際身長が伸びる以上に体重が増えたことはなかったし、結構たべても太らない体質だと思ってた。
その太らない体質だと言う思い込みが、柔道をやめてからの肥満一直線につながるが、それは別の話。
考えてみれば毎日3時間以上部活をして、週に3度は体育で運動してるのだ。太るわけがない。

とはいえ、ご飯の量を増やしたり練習後に牛乳を飲んだりで、多少は体重を増やした。
試合直前には1キロも増えていたのである。……テーマは体重を増やすと言うより
いかに計量を切り抜けるか、それが課題にすり替わった。

試合当日の朝。計量スペースでは自由に計量ができた。体重計に乗る。リミットまで5キロ以上足りない。
柔道着を着込めば幾分かは増えるが、それはまぁ誤差みたいなもの。
ため息をつきながらそばにいた友達に伝える。

選手控え室に戻ると、10本のアクエリアス(500ml)がすでに持ち込まれていた。
その頃はちょうど500ml缶を見るようになった時期。要するに、5キロ入れるのだ。
気合を入れて飲んだ。たぶん柔道部生活で1・2を争うがんばり。けど結局少し戻した。

計量に行くとやっぱり1キロ少し足りなかった。
再計量は1時間後と言うことだったが。どう考えてもアクエリアスの入る余地はなかった。
ミッチーに相談すると、「ダンベルもって来てただろう?」と言われた。
一瞬部員のほとんどがポカーンとした顔をしていたけど、みんないい加減気づいた。
教員がズルの推奨していいのかは、まぁ色々な見方があるだろうと思う。

結局腰のうらに1キロのダンベルを巻いて最軽量に挑んだ。柔道部生活最高の緊張だった。
普通に考えて1時間で1キロ増えるのはおかしい。
計量の先生は冗談めかした顔で「何か仕込んでないな」と聞き、
足の辺りをぽんぽんとたたいた。目は笑ってなかった。

と言うわけで無事に試合には出れた。
朝から5リットルも液体飲んで、吐いた人間が勝てるはずもない。白帯の下級生にぶん投げられた。

僕は泣いた。
by tomo1y | 2006-09-08 18:53
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