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デザインの楽しみ

昨日職場を出ようとすると、通用口に誰かがススキを置いていた。十五夜なんだ
そうだ。風流風流。
こういうことを意識して楽しむというのはいいものですね。まったく。

それはまぁ、それとして。デザインのお話。
学生時代にお世話になった先生によると、デザインという言葉は元は超越者の創意という意味だったそうだ。
美しくデザインされた何者かを見るというのは心地の良いものであるけれど、
「創意」ということを考えるとデザインの大きな楽しみは、どのような意図で作られているのか
それを感じて読み取ることでもあるように思う。(※)

で、意図がデザインに反映されるかという好例として、携帯用のゲーム機をあげてみようか。

今、私たちが手に取ることの出来るゲーム機というと、
ソニー製のPSP(Play Station Portable)
任天堂のNintendo DS

ということになる。どちらも携帯用のゲーム機であるということは同じだが、
デザインと、そこから見えてくる会社の意図というものは結構に違う。
どちらもおそらく一流という言われるであろうデザイナーが作っているもので、
それ自体のデザインの良し悪しというのはあまり無いかもしれないのだけれど。

1:メディア編
PSPはUMDといわれる光ディスクをゲームソフトのメディアとして採用している。
一方任天堂はいわゆるフラッシュメモリを採用している。
この違いは簡単に分かる。当然光ディスクのほうがデータ容量が大きいので
高品位の動画や、音声データーを大量にゲームに入れ込むことが出来る。
一方フラッシュメモリはデータ容量という点では劣るのだが、
光メディアに比べて圧倒的にデータへのアクセス速度が速い。

任天堂は一貫してストレスのないゲームを作るということを前提にハード開発を行っており、
その伝統をココにも見取ることが出来る。
ソニーは自らもコンテンツを持つ会社らしく高品位のデータにこだわっていることが分かる。

2:全体的な形状(特にディスプレイ周り)
ボタンの数などはそれほど大きく変わるわけではないのだが、
PSPに比べてDSが大きく違うのが、ディスプレイを2つ持っていることと、たためることである。
おそらくDSは「たためる」ということを強く意識して開発されているように思う。
……コレがなぜかといえば、液晶という部品がもっとも傷つきやすいからであろう。

PSPは専用のポーチを用意したりして液晶の保護を考えている。
一方DSはたたんで液晶を守るという方法をとっている。
優劣ではなくDSのほうは、簡単に鞄やポケットに放り込めるということを強く意識したデザインだ。
おそらく前段で述べたフラッシュメモリを採用したことにも同様の意図があるのであろう。

3:大きさ
大きさについてもPSPとDSでは一回り以上の大きさの差がある。
もちろんDSを開いた状態で見れば、面積的に大きな差はないのであるが、
閉じた状態で見ると圧倒的にDSの方が小さい。

ただ、ソレに伴ってPSPと比べてDSはボタンの大きさもかなり小さくなっており、
操作性の面では(少なくとも私にとっては)PSPが上回っている。
ただ、この操作性の問題は絶対的なものではなく、
おそらく使う人間の手の大きさというものに強く依存する問題であろう。
操作性を度外視して大きさのデザインが作られているとは考えにくいのだ(※)

どちらかというと、手の大きさのターゲットが違うのだ。
PSPはおそらく成人男性で
DSは子供とか女性向け。
絶対的なものではないだろうけど、多少大きさからはそういう意図が見える。

4:まとめ。
斯様にゲーム機を見比べるだけでも、そこには会社の意図というのが透けて見える。
PSPは完全武装の携帯用マルチメディアデバイスである。
ゲームだけでなくて、音楽や映像、そしてインターネットを楽しむことが出来る。
いろんな分野に子会社をもつソニーならではのゲーム機であろう。

一方DSはあくまでもゲーム機で玩具である。
もちろん各種の拡張を掛けることで、マルチメディアデバイスとしての使用も可能だが
ソレはあくまで「こんなこともできる」ということでしかない。
機能は必要最低限にして頑丈にしようという意図を見て取れる。

会社の文脈という点で見れば、
PSPはソニーの製品だし、DSは任天堂の製品である。
どこまで言ってもソレを感じさせるものを見るというのは楽しいものだ。

そして更に言えば、そういう見るだけでどこの会社だと感じられるような
プロダクトを作れる会社があるということはうれしいものだ。


まぁ、デザインに限らず絵や写真をそういう目で眺めるのももちろん面白い。


技術自慢として極限まで小さくするということはありえるし、
たとえばシリコンプレイヤーみたいに、放り込んで使えるものであれば
操作性を犠牲にすることも考えられるが、ゲームではやはり考えにくかろう。
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by tomo1y | 2006-10-07 18:47
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