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図書館戦争:有川浩:メディアワークス

ここんところ読みふけった小説。
なんというか装丁とタイトルに引っ張られて、思いつきで購入した本。
よくよく見ると作者が、割と好きな作家さんだった……という話。アホか私。
テクニック的に万全ではないけれど、文章は非常に読みやすい。
そして、何よりもこの本は世界観が魅力的だったりする。

昭和の終わりに「メディア良化法」と言われる検閲を許す法律が出来た世界の話で、
以下にあげる『図書館宣言』……つまり、

第1 図書館は資料収集の自由を有する
第2 図書館は資料提供の自由を有する
第3 図書館は利用者の秘密を守る
第4 図書館はすべての検閲に反対する
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

という現実にも存在する『宣言』が法律になっているような世界。
こういうことが下敷きにあって、この小説の世界では
図書館は”武装して”図書館の自由を守るんだそうだ。なんだろうこの熱さ。
なんというか本読みとしては荒唐無稽だけど面白い世界なのです。
実際好きな本が買えないとなったら地獄だけどさ。
とりあえず、万引きの汚名をかぶってでも好きな本を守ろうとする主人公の気持ちは分かる。

ばかばかしい話……であるとはいえるんだけどね。
現実をカリカチュアライズして、世の中の雰囲気を切っているようにも思います。
なんというか、こういう『ありえない日本』っていう雰囲気は、バトロワとかとおんなじような気もする。
読書の自由のために人が死ぬって言うのはおかしいんだけど、
そのくらい強く示して考えさせるっていうのは、小説の重要な役割かなぁとも思う。

この本読んでも真面目な人は怒るのかな?
あんまり関係ないけど「バトルロワイヤル」読んで怒る人ってのもわかんないんだよなぁ。
確かに描写は残酷といえば残酷だから読みたくない人がいるのは分かるんだけど、
人を殺してハッピーみたいな話じゃないのは読めば分かることだと思うんだけど。
本やゲームの悪影響と言うのが良く語られるけれど、
そればっかりでもないし、それを心配して規制すると言うのは子どもを馬鹿にしてると思うし
保護者の影響力に自信が無さ過ぎるんじゃないかと思う。

関連して『図書館内乱』『レインツリーの国』を読む。満足。
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by tomo1y | 2006-11-25 21:26 | 書誌
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