松江市出身の石倉慎吾監督の映画「光の道」の上映会が島根県立美術館で開催されたので、見に行ってみた。
上映の開始の5分ほど前に会場に着くと、結構映画塾の関係者の顔が見える。どうもみなさん興味があったようです。 上映の前には舞台挨拶。 監督の石倉慎吾さん、赤穂真文役のの赤穂真文さん、美術の宮古優美子さんの3人による舞台挨拶。 石倉監督は「映画って現実逃避で、自分にとっての別の現実ですよ」との発言。内面にいろいろものを抱えてて作品作りをしてるんだろうな……と。ただ、それを逃避と呼ぶかはまた別の問題だし、考え方によるのだと思う。私は逃避ではないんではないかと思うけれど。赤穂さんは「真剣に生きることって微妙に滑稽に見えると思う、そこを楽しんでほしい」とのコメント、分かるんだけど、少し考えさせられるコメント。確かに滑稽だけど笑ってはならんのではないかと思う。実際に見た映画も単純に笑えるものではなかった訳だし。その辺は分かっておられるんだろう。美術の宮古さんの話は、段ボールハウスに注目してほしいというもの。コレは素直に面白かった。ちょっとすんでみたいと思ったりなんかして。 で、映画本編。 音楽はその多くがクラシックの有名どころから使われていた。実際問題演奏者の権利関係をどうクリアしてるかはちょと分からなかったけども、十分重厚さのある良い音楽だった。……個人的に好きな曲が多かったというだけの話かもしれんけどさ。 絵は非常に神経を使って作られていた印象です。なにフィルターか忘れましたが、空の青さを濃くするフィルターとか使ってあって、なんと言うか絞りをきかせた映像に見えました。ピントの具合からいうとちがうのかも分かりませんが。 ほか、どうやって撮影したんだろうというシーンもいくつか。技術的に……というよりも、どうやって石倉監督はこの映像を撮ることを役者に納得させたんだろうといったシーンがちらほら。 演出はとにかく怖い印象です。監督がいろいろ腹の中に抱えてるんだろうなという印象で、私みたいな脳天気な人間からすると、恐怖を感じます。見終わったあと、胃が痛いと言うか小骨がのどの奥に刺さってるような感じと言うか。 もちろん、一つ一つのシーンでは、優しいシーンや可笑しいシーンもあるんですけど、明らかに結末に向かって行っている緊張感があって、プレッシャーをかけてきます。その辺がなんと言うか不安を抱かせる原因なんでしょう。そう考えると、章を区切って、暗示的な映像やら、本編部分のカットをいくつか見せて行くというのは面白いやり方なのかも。 全体的にはおもしろんだけど、なんというか、引っかかるところがあって、考え込まされる作品でした。 何より、2時間40分もの映画を撮るって言うこと自体が凄いことなんだよなぁ。 どうでも良いけど石倉監督は多分Sだな。 なんか、予告編ではマルキド・サドからインスパイアされた映画を撮られるようだし。 ……。なによりMにはとれない映像な気がする。 追記(2005/11/27) クラシックの音楽をどこから調達されたんだろうか……と書いておりましたが、こちらのDrei-O Philharmoniker さんの協力で音楽をつけておられたようです。情熱……なんだろうなぁ。
by tomo1y
| 2005-11-27 11:23
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